坐骨神経について
・坐骨神経は、脊髄から出た細い神経が集まってできた神経の1つです。
脊髄は脳と共に「中枢神経」と呼ばれ、それ以外の神経は「末梢神経」と言います。
坐骨神経痛について
・坐骨神経とつながる末梢神経や脊髄が傷ついたり、絞扼(圧迫)されることにより痛みやしびれが起こるのが「坐骨神経痛」です。また、医学的には主に仙骨の1番(S1)、腰椎の4番(L4)と5番(L5)から出ている末梢神経(坐骨神経)が障害されることで、お尻や太ももなどに痛みやしびれが起こっている場合に「坐骨神経痛」と診断されます。
・坐骨神経痛は、神経障害性疼痛に分類されます。
坐骨神経痛を引き起こすもの
【腰椎が原因のもの】
・腰椎椎間板ヘルニア
・腰部脊柱管狭窄症
【腰椎以外が原因のもの】
・梨状筋症候群
・中殿筋障害
【坐骨神経痛のように下肢(足)に痛み・しびれが出るもの】
・仙腸関節障害
腰椎以外が原因のものでは、画像診断ではわからない可能性が高く、病院では「画像上問題ない」と言われてしまう事もあるので注意が必要です。
痛みやしびれの改善について
・じっとしていても痛みやしびれの症状はよくなりません。安静にしていればその時は確かに痛みは楽になります。また、やわらかいソファなどにもたれかかるように座ると、腰は丸くなり腰への負担はさらに大きくなります。しかし、それでは筋力の低下を招いたり、逆に筋肉の硬さを生んだりします。筋力は適度な負荷をかけ続けないとどんどん低下していきます。ですから、痛みがあっても、可能な範囲で動いて筋力を維持する事が大切です。また、関節の可動性を維持・高める事も重要です。
・腰椎以外が原因のものの「梨状筋症候群」や「中殿筋障害」、「仙腸関節障害」などは、筋肉や関節が硬くなることが大きな原因の1つです。
筋肉が硬くなる事で、その周辺にある神経がつぶされたり、圧迫されて痛みやしびれなどの症状が出てきます。
・症状の改善方法としては、筋力の維持・強化・筋肉の硬さを取る事です。
それは、ウォーキングやストレッチ、筋力強化の為の運動や筋肉の硬さをほぐす事(施術を受ける)です。
運動をするにしても施術を受けるにしても、専門家の指導や施術が必要です。
正しい運動のやり方や必要な施術を受け、その上で生活習慣の改善を図り、セルフケアを行い、良い状態を維持できるようにしていきましょう。